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目の前には先の見えない道がある。 鼠色の道にはたくさんの足跡がついていて、わたしはその足跡を踏むようにして、足を進めていく。 そのうちゴールは見えるだろうとか思いながら、適当な鼻歌を歌いながら、ずっと歩いていくと、 やっぱりゴールは見えてこないで、でも、それとなく足元を見てみると、あれ、足跡がどっかにいったね。 わたしは周りを見渡してみた。 道なんてなかった。 うっそうとした森の中にわたしは佇んでいた。 さながらそこに昔からあって、歴史があって、文化があって、文明とともに寂れたみたいな、 そんな石像みたいなようなわたしの上には鳥がとまっていた。 ぴーちくぱーちくうるさい。 うるさい雑音のような歌声の鳥の、鳴き声の運んでくる風に耳を澄ましてみて、やっぱりどうでもいいなんて思いながら、 あれちょっと待って、これっていいんじゃない、そうなんじゃないと思うものを咄嗟に刻み込んでる。 刻み込むものは石みたいに固くて、とっても固くて、わたしの爪がぽろぽろ剥がれちゃいそう、 こんな固いものの前じゃまるでこんにゃくみたいなもんなんだろうなとか、 こんにゃくといえば角にぶつかって死んじゃうと聞くけれど、こんな石っころも削れないじゃないか、みたいな。 でもこんにゃくで石を削る技術なんて開発しちゃえば簡単に有名人かな。偉人かな。 変人だよ。 とりあえずこんなところにいたってどうしようない、わたしは、石のようなわたしを、 刻み込んだ言葉を頼りに足をひきずって、右も左も上も下も何年何月何日何時何分何秒わからずに、 何万光年先の先に、ちょっとだけ溜め息を吐いてみた。 足元に落ちていた木の枝を拾う。 えい、っと向こうの草陰に潜んでる何者かに投げ込んでみる。 石ころがいっぱい飛んできた、でも大丈夫、わたしの身体は石だから。 だめだやっぱり痛い。 ちょっと痛む部分を触ってみると、そこからぺりぺりと剥がれて、中のやわらかいわたしが姿を見せて、 あ、わたしだ、こんにちはって、思わず挨拶してみたんだけれど、 向こうから飛んでくる石に対抗できるのかなって心配になってくる。 でもまあ石なんてものはありふれていて、そこらじゅうに散らばっていて、 もう数えるのも馬鹿らしいぐらいで、結局はそんなものが飛んできたところで痛いっていうのは嘘、 嘘じゃないんだけど、そう、やわやわのわたしで歩き続けていると、そんなことどうでもよくなってくる。 上手くなってくる。 あと投げてきた石ってわたしの周りに落ちているんだ、だからわたし、これをちょいと拾って、 向こうに投げることだって出来ちゃうんだ。 だけどそのまんま返すんじゃ芸がないから、わたしはその場で一つの石を選んで、 磨いて、鋭利なナイフみたいになったら、それを向こうに一直線で投げ込んでみる。 あとは知らない。 そうしているうちに、いつの間にかさっきとは違う場所にいて、 あれもしかして出口に近づいたのかもと思うけど、根拠はどこにもないんだけど、そう思っちゃってる。 こういう根拠のない自信なんてもの否定しようがないんだから肯定するしかなくて、 だからわたしはわたしなんであって、良かった、少し休息。 でも休息していると止まっているはずなのに後退しているような気がしちゃうから、すぐ立ち上がる。 また進む、進む、まだ進む、おかしいな、進んでいるかどうかわからないのに、進む。 あ、見つけた。 手ごろな大木を見つけて蹴飛ばしてみる。 大木はわたしの足なんかじゃびくともしないけど、 足の骨を伝って響いてくる振動とか音とかがふるふるさせて、 絶対気のせいなんだけど、不思議と悪くない心地がしている。 何度かそれを繰り返して夢中になって一心不乱になってふるふるさせていると、 ぴしゃり、と空が鳴って、雷が一つ落っこちてきた、大木はひとたまりもない。 炎は大木から隣の木々にうつって、そのうち大木には手も届かなかった地べたの雑草にまで広がって、 ついさっきわたしがいたかもしれないところまで届いて、ほとんどがなくなっちゃった。 燃えつきた草木の中からうさぎが顔を出す。 「こんにちは澪ちゃん」 「こんにちは」 「よく燃えちゃったね」 「燃えちゃったね」 「でも、よく見えるね」 うさぎがぴょんと跳ねると、風が吹いた。 見ればわたしの歩いて来た足跡が、どういうわけなのかよくわからないけれど、 くねっとなっていて、うまく倒れた木の間を通るようにできていて、 あながち無駄でもなかったのだなあと思ったりした。 うさぎは足跡の上をぴょんぴょん跳ねながら進んでいった。 わたしも進んでいった。 今度は間違いなくどこもかしこも出口で、わたしが進んでいる先も出口だった。 ふとすると目の前に分かれ道があった。 片方には見覚えのある鼠色があって、 もう片方にはもこもこのヒツジみたいなものが両端にずらっと並んでいる、 薄ピンク色のカーペットが敷いてある。 こんなもの迷うまでもないじゃないかとカーペットを土足のまま踏みつける、 元より土足で歩くもののようだけど、ちょっとそれが憚られてしまうかわいいそれは、 わたしが足を進めるとそのぶんだけ先っぽが伸びているようで、端っこが全く見えてこない。 だから聞いてみた。 「もしもし、あなたはどれぐらい長いの?」 「ぼくの上に乗った人はみんなそう聞いてきたさ」 「わたし以外に誰かが乗ったの?」 「キミで全員さ」 そのあとで地球を三十回周っても余裕があるぐらいって教えてもらった。 地球の大きさを思い浮かべてみるけど、なんかぼわぼわするもので、途中でやめた、 わたしの想像できないほどの長さなんだろうなって、 そう思うので精一杯と思うことにした。 いつの間にかカーペットは空に浮かんでいて、わたしも当然のように浮かんでいた。 その場で足踏みをしてみるとぶわっとへこんで、すぐに元の形に戻って、 なんとか浮き続けることができてるみたい、だからわたしはもっと勢いよく踏んでみた。 案の定落ちた。 落ちながら空をのぼるカーペットを見ると、多分あれは宇宙まで続いていて、 ここで落ちておいて正解だったんだなあ。 お帰り。 「こんにちは、澪ちゃん」 「また会ったね、うさぎさん」 「ちょうどよかった、一緒に来てよ」 ちょうどよく落っこちることができたから、ちょうどよくうさぎさんの用事に付き添うことができたのか、 あらかじめ両方が一緒になっていたのかはわからないけれど、 もしかしたら空の上から出来たんじゃないかって、 いやでもきっとちょうどよかったんだろうと。 おかげでよくここらへんを見れたし、よく地べたを歩けている。 うさぎさんと並んで腰を下ろす、この小高い丘からはそこそこの景色が見えていて、 少なくともわたしの足跡がついてる場所ぐらいは見渡せていた、 足跡までは見えないけど、軌跡を追うことはできた。 さっそく手元のノートに記そう。 しまった、書くものがない。 「これをお使い」 といって羽を差し出してくれたハトさんにお礼を言って引っこ抜くと、 先からはインクがぽたぽたと垂れていたので、これはいい、ノートを文字で埋める。 点と線がするりと繋がって、立体的になる。 立体的になったそれは絶妙なバランスを保って、でも不安定そうに、わたしの前で積み上がっていって、 最後になるとエッフェル塔の上にさかさまのピラミッドでも乗ってるかみたいな、 へんてこりんな形をした世界で一つだけの立派な建物が出来ていた。 指でちょいとつつけば倒れそうなそれは、しかし扉を開けて階段を昇っていっても、 案外崩れてはくれそうになかった。 頂上に着くと、羊みたいな雲が元気に青空を駆けていて、 視界を遮るものもなく、さっき見えていた景色よりはまだ色々多くのことが見えていそうだった。 それでも宇宙に昇ったらまた違っただろうな、と考えてみる。 「でも帰れなくなったら困るよね」 「そうだねうさぎさん」 後ろからついて来ていたうさぎさんは、 これを見てごらん、と言って、わたしの前で一つ跳ねた。 ぼこっと一ヶ所だけ出ている手のひらサイズの床のそれは、 きっと上から押したらなにかが起こるんだろうなと直感した。 「知っての通りここはぐらぐらだ」 「うん」 「これを押せば全部が無くなるんだ」 「なくなるんだ」 「軽く押し込むだけだよ」 わたしは迷わなかった。 迷わず手を滑らせて、その隆起した床をへし折った、もう誰にも押し込むことはできない。 結局わたしたちの選択っていうのは、この程度のものなんじゃないかな。 「これでもうぐらぐらしない」 「そうかもね」 「うさぎさん、今日はありがとう」 「どういたしまして」 お礼を言ったうさぎさんは七色に輝きだして、 眩しいから、わたしは目を瞑った。 暗転。 身体が震える。 くしゅん。 気づけばわたしは、自分の部屋の机に突っ伏していた。 ばっと起きてみる。 それから、自分でもびっくりするぐらい、でも全然意外じゃないぐらいのペースで、 枕にしていたけどなっていなかった紙に言葉を並べていく。 ほらもうできた、すごくいい。 一度手で遠くにもってやって、眺めるように出来上がったものを確認していく。 そうして満足したわたしは、うたた寝が祟ったのか、 またもや身体を震わせ、くしゃみを一つしてしまう。 誰も見てないのに恥ずかしくなったわたしは、頭を掻いた。 おわり。 戻る
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当日の流れ よくお読みください。 主催者もプレーヤーとして参加しますので、当日は質問など十分答えられません。 タイムスケジュール 21 00 チーム代表者・サーバー管理者はIRC Friend系 #HomemadeWarfare_admin→#CoD4HW_adminに集合・サーバーPass・抽選方法の連絡など 21 30 参加者はIRC Friend系 #HomemadeWarfareに集合 開会式 抽選会(IRCにてLimechatのマクロを使用) 21 35 トーナメント開始 試合結果報告 試合結果はBBSにて報告お願いします。 報告は勝利チームの代表者が書き込みお願いします。 試合結果のスクリーンショットも撮影お願いします。(提出の必要はありません) IRCだと流れて行っちゃうかも&証拠として残すためです。 結果はすぐに編集して2回戦・3回戦の対戦相手を判明させます。
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変化する香り立ち 香水の香り立ちは、香水とはにも記載した通り、最初華やかに香るトップノートからミドルノート、そしてラストノート(ボトムノート)までグラデーションのように変化していきます。 同じラストノートでもしっかりとしたボディ感を保った香りから徐々に弱くなり、香るか香らないかわからないくらいまで弱くなり消えていきます。その時間は香水の種類や製品によって千差万別で早いもので数時間、継続するものなら数日持続します。 しかし、香水として最も安定してふくらみのある香り立ちは、ミドルノートがはじまる頃から数時間程度が一番美しいと思います。また、そういう製品が多いようです。 ということは香水は、つけてからミドルノートが訪れる10分後、20分後からが見せ場ですので、もしパーティなどで最高の香りの演出をしたいのなら、何時 間も前に自宅でつけてでてくるより、パーティ会場には少し早めについてから会場の化粧室で香水をつけるもの一つの手です。 香水はつけるタイミングも少しねらいをつけて最高の香り立ちを演出して下さい。 香水をつける時間 お出かけ前:香水の種類によって違いますが、通常トップノートが香る最初の10分~15分程度は、アルコール臭も含みますし、急激に変化する部分なので対面する場合、まだおめかしの途中のようなものです。香りが落ち着くまでの10分程度前までに付けるとよいでしょう。ただ香りが強すぎる香水もあるため、好みに応じて一時間前などからつけておくという方法もあります。 付け直しについて ・弱くなった香りの付け足し 早くつけ過ぎて弱くなった香りを外出先で「つけ直したい」「つけ足したい」という要望もでてきます。最初につけた香水が現在トップノート・ミドルノート・ ラストノートのサイクルを進行中ですが、それに新しいトップノート・ミドルノート・ラストノートのサイクルが時間差で加わることになりますが、香りの質は 同じですのでそれほど違和感はありません。 ・少量つける ただし、同じ香りをすでに自分自身がたっぷり嗅いでいるためつけ直したときに「つけ過ぎ」る失敗を犯しがちなのでご注意ください。つけ直しやつけ足しは、 最初につけた場所より少し離れた足や手先などに少量つけることがおすすめです。疲労している嗅覚へのダメージが少ないし、遠い分、新しくつけた香り立ちが の強さなどが比較的冷静に判断できます。 付ける対象 香水は化粧品ですので地肌に直接つけても問題ありませんが、すべての人に問題がないわけではりません。お肌が弱い方は直接つけることを避けた方がよいでしょう。 お肌に直接つける 体温のあるお肌に直接つけると香り立ちがよいとされています。香水を直接肌につけると肌に吸収され健康の害になるのでは、という質問を受けることがあります。 一般的に肌は皮膚の角質が異物の進入を阻止(バリア機能)していますので、吸収されることはないとされますが、ごく微量に吸収されるとする説もあります。 その場合でも健康に被害が及ぶ成分などは使用されていませんのでご安心ください。ただし、お肌が荒れるとそのバリア機能が弱りますので弱ったお肌には刺激になる場合がありますので注意しましょう。 ハンカチやティッシュ 世界的に使用が許可されている香料でもお肌に合わない方がいます。当社の経験では、お客様の数パーセントが市販化粧品でお肌のトラブルを感じられているようです。 こういう方々は香水も同様に直接お肌につけることはお勧めできません。ハンカチやティッシュに香水をつけ、内ポケット、(あまりスマートでありませんが)ブラや下着にはさむやり方で直接お肌との接触・コンタクトを避けて香りをお楽しみましょう。 衣服 お勧めはスカートです。スカートの裾裏や内側に香水をつけると揺れるたびにほのかに香ります。女性らしい「かわいらしさ」の演出に試す価値があります。 同様にスーツの内ポケットやパンツの裏地などもOKです。ただし、衣服は一度つけると香りが残りますので違う香りをつけるのが難点です。また、シミになる場合もありますのでその点も充分にご配慮ください。
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嗚呼川の流れのように ◆P2vcbk2T1w 糸色望は、混乱していた。 突然連れて来られた異様な空間。 目の前で見せ付けられた、突然で不条理な人の死。 そして、強制的に参加させられた、己の命を賭けたゲーム。 その全ての状況が、望の精神を蝕んでいた。 だが、このままここで茫然自失としているわけにはいかない。 この世界に連れて来られたのは、自分だけではないのだ。 最初に連れて来られた部屋。そこには、見覚えのある生徒達の姿も見て取れた。 そうだ。自分は教師なのだ。 彼女らと合流し、なんとしてでもこのふざけたゲームから生還する。 そらが、聖職者たる自分に課された使命なのだ。 望は与えられたデイパックの中を改めて調べてみることにした。 与えられた支給品を確認し、地図で現在地を確認するためだ。 「ふむ、どうやらここから西へ行けば駅があるようですね。 人の集まるこの場所に行けば、生徒たちとも合流できるかもしれない」 そう呟くと、望は駅へと向かって歩き出した。 最愛の生徒達を、絶望の魔の手から守るために…… 「……って、なに状況に流されているんですか私は――――っ!!!」 ――アレ、先生? 「大体、こんな状況に放り込まれた人間がそう簡単に状況を把握できる筈が無いでしょうが!! 人が死んだとか言っても知ってる人じゃないし、そもそもアレ人なの?ってカンジだし、 正直『え? 何? ドッキリ??』って反応が関の山ですよ!! それを素直に事実だと受け入れるだけでも大したものですよ! ええ、私には到底無理ですよ、無~理!! 大体、地図を一目見ただけで現在地と方角が分かるとか、どれだけ方向感覚に優れる人間なんですか! 普通迷いますよ!!」 ――先生、それ以上は自重……(天の声) 「ハッ、いけない、流石に取り乱してしまいましたね(違う方向に)。 ですが、このように状況に流されるのは非常に危険なのです! 過去を振り返っても、状況に流された故の悲劇が、歴史には多数刻まれているのです! 断り切れないまま10年ローン契約成立 みんなが飲んでいるからと飲酒運転して取り返しのつかない事に 出来ちゃった婚のそれから なんとなく辞意表明を先延ばし でもやっぱり辞意表明しちゃう 偶然ロボットのパイロットになって宇宙の命運を左右する運命に 本当は男だといいだせずにラブコメ 気が付けば世界を救う勇者になっていた いつの間にか記録的長期休載 本命は受かると踏んでのボーダー投票の流れにのってしまって涙目 この様に、状況に流されるがままになってしまうと、とんでもない結末を迎えてしまうものなのです! いけません!! このまま流れに身を任せてしまっては、私もとんでもない結末を迎えてしまいますよ!!」 … …… 「・・・・・・。」2分ほど時間が流れた。 「むう……どうにも、突っ込み役がいない状況というのは収まりが悪いですね…… やはり、建前はどうあれ他の誰かと合流したいところですね……一人だと流石に物騒ですし…… ああ、そうだ。念のために与えられた荷物をキチンと確認すべきでしょうか……って、やっぱり流されてる私!? でもそれも仕方が……ああっ、でも!!」 ……と、糸色先生が悶絶しながら荷物の中から取り出したそれは、一式の衣類でした。 「いや、衣類というかこれは寧ろ……ん? なにやら説明文が……」 『支給品:ゼロの仮面とマント。コレを着れば、貴方もゼロに早替わり!!』 「って、思いっきりコスプレ衣装じゃないですか――――!! 何なんですかこの悪ふざけは!こういうのは藤吉さんにでも支給するのが筋ってモンでしょうが!! 大体、この仮面とか、こんな構造じゃ前が見えるワケが……おや? ふむ、この仮面、思ったよりも高性能ですね。内側にモニターのようなものが取り付けてある。 ほうほう、内側からはキチンと外が見えますよ。最近のコスプレはハイテクなんですねえ。 このマントも、実際に着てみれば思いのほか動き心地が……って……」 「いつの間にかバッチリ着ちゃってるじゃないですか―――!!」 糸色先生がノって参りました。 「まったくもう、ここまで自分が流れに乗りやすい性格だったとは…… しかし、人間というものは、案外流れに乗りやすい性質を持っているものですからね…… 行列があると並んでしまう 人だかりができていると覗いてしまう 投票があると投票してしまう 王道展開 気が付けばトップマーダー ニート生活今年ではや10年 いつの間にか夏休み終了。宿題? テスト? なんのことです? さすが社会人だ、夏休みなんか無いぜ。 矢張り私も日本人。右にならえ文化が骨身に染み込んでいるのでしょうか。 そう考えれば、この『流れ』というものから逃れるのは中々困難なのかも知れませんね。ハァ……」 そして、ひとしきり絶望して満足した糸色先生が、コスプレを脱ごうとした、まさにその時です。 「ゼロ!! ゼロなんですね!!」 「……へ?」 突然発せられた声に驚いた糸色先生が振り向くと、 そこには見知らぬ一人の少女が、自分の元へと駆け寄って来るではありませんか。 「えっと……どちら……様でしょうか?」 「何言ってるんですか、カレンですよ!! でも、まさかゼロもこの異常事態に巻き込まれていたなんて……これも貴方の作戦の一環なのですか?」 「え? いや、私も何がなにやら……」 「では、これはブリタニアの陰謀か……奴等、日本人相手だと思って悪趣味な真似を……!」 「…………」 もう皆様お分かりの通り。 これはつまり、このカレンという少女が、糸色先生のことを、 コスプレ衣装の持ち主こと『ゼロ』本人だと勘違いしてしまっている、ということなのでした。 (ヤバイ!! これはまた、完全に状況に流されてますよ!! こ、このままズルズル行ってしまっては、本当に取り返しが付かなく……) 「ゼロ? どうかしましたか?」 「え? いえ、何でもありませんよ、なんでも!!」 「そうですよね、こんなの、何てことありませんよね!」 「え、ええ……」 「私、ゼロならきっと何とかしてくれるって信じてますから!」 「は、はあ……」 「せめて、ここから生還するまでは、ゼロは私が命に替えてもお護り致します!」 「まあその……何と言うか……宜しくお願いします……」 こうして、糸色先生は、このレジスタンスの少女、カレンと行動を共にすることになったのでしたとさ。 絶望先生の明日はどっちだ!? 「 絶望した!!! 流されるままの人生に絶望した!!! 」 「……? ゼロ、何言ってるんですか……?」 【F-6西部 一日目 深夜】 【糸色望@さよなら絶望先生】 [状態]:絶望 [装備]:ゼロの仮面とマント@コードギアス 反逆のルルーシュ [道具]:荷物一式(支給品の残り数、内容不明) [思考] 1: 絶 望 し た ! ! 【カレン・シュタットフェルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】 [状態]:普通 [装備]:なし [道具]:支給品一式(詳細不明) [思考] 1:ゼロを守る 時系列順で読む Back この血塗られた指先で救えるのなら Next シモン、あなたはどうしていますか? 投下順で読む Back この血塗られた指先で救えるのなら Next 人の名前を変えんじゃねえ!!(前編) 糸色望 060 その名は絶望 カレン・シュタットフェルト 060 その名は絶望
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夢板面白いですか? 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 面白い 17 (52%) 2 超面白い 5 (15%) 3 つまらない 4 (12%) 4 犯人はヤス 3 (9%) 5 どっちでもない 2 (6%) 6 ぼちぼちでんな~ 1 (3%) 7 面も白い 1 (3%) その他 投票総数 33 ※同じ発信元からは、『43200秒(=半日)』間を置かないと投票出来ません。 ※『その他』から選択肢を追加 【トップページ】 名前 コメント すべてのコメントを見る
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準備 長時間かかりますので、お手洗いは必ずしておいてください。 携帯電話で話さないといけないフレには開始前に用事を済ませてください。 あるといいもの ☆筆記用具 ☆メモ ☆飲み物 ☆眠気覚ましグッズ あと以下のチャットを呼び出せるように準備しておいてください。 http //rosa-laxa.sakura.ne.jp/mmjinroh/cgi-bin/waon/naisyo(狼チャット) http //rosa-laxa.sakura.ne.jp/mmjinroh/cgi-bin/hakaba/socchat.html (墓場チャット) ※パスワードは現地で教えます 役の告知 ゲームスタートの前にGMが役を告知します。 一人一人に取引を申請し、その際の「ひそひそ話」にて 役を告知していきます。 人狼・狩人・霊能・占いには専用の掲示板が使用できます。 専用掲示板の場所は壁にオブジェが目印になっています。 霊→時計 占→絵 狼→クマ 狩→ペンギンが乗った棚 です。人狼は昼間の会議中にも専用の狼チャット(わおんちゃっと)が 利用できます。 わおんちゃっと 占いと霊能と狩人は夜の能力発動時にのみ掲示板を使用します。 違う役の掲示板・チャットは見ないようにしてください。 あと村人は絶対に掲示板とチャットは見ないように。 告知が終わったらGMが点呼を取ります。 全員そろったところでゲームスタートします。 ゲームの流れ ~一日目昼 ゲームの流れ ~一日目夜 ゲームの流れ ~二日目以降昼 ゲームの流れ ~二日目以降夜
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ホーム 入門講座 ゲームの流れ 2対2のチーム戦です。向かいの人は仲間です。両隣の人は敵です。 カードの強さは、A K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2。 スペードが切り札で、ほかのマークより強い。 手札を見て、勝てると思う枚数で宣言します。仲間と自分の宣言数字の合計は、二人の目標ビッドです。 目標ビッド以上に取った場合、加点されます。足りなかった場合、減点されます。 先に500点獲得した方が勝ち。 次へ 目次へ ホームへ
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暗闇の中の光 適正レベル:20 授与NPCの名前:カンダイス 授与NPCの所在:風見が丘 前提クエスト:ウォー・マスターのウゾール 派生クエスト:茶色の服を着たロアマスター 授与ダイアログ 「東の地から戻ってきていた時、風見が丘の夜空が白い光の閃光で明るくなった。稲妻に似ていたが、空は曇っていなかったし、雷も聞こえなかった」 あの夜、アモン・スールに見舞ったのは、ただの嵐じゃない。友よ、風見が丘の頂上を捜索してくれないか。何か見つかるかもしれないからな」 「何か異常を発見したら、すぐに俺のところへ戻ってきてくれ。この謎の説明がつくかもしれない」 背景 カンデイスが東の地への旅から戻ってきたとき、彼は風見が丘に白い光が瞬いているのを見た。稲妻のようだったが、嵐は来ていなかった 目的 目的1 風見が丘の頂上で、何か異常がないか探す 風見が丘はカンデイスの野営地にそそり立っている。 カンデイスはあなたに、風見が丘に異常はないか探し、何か証拠などを見つけたら持ち帰るように頼んだ 目的2 カンデイスの野営地は風見が丘のふもとにある。 ルーン文字に覆われた岩を見つけ、その拓本を取った。カンデイスのところへ戻り、そのルーン文字の意味を突き止めろ 報酬 固定報酬 金:4sp 選択可能な報酬 ―― 経験点 経験点:――XP 攻略情報 ルーンに覆われた岩は頂上入り口を入ってすぐ左に進んだ地面にある。 コメント/ヒント等 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dorama123/pages/4.html
行ってた高校が百舌と言う所なんだけど、今ドラマでもこのモズが話題らしい 内容は全然違うんだけど でもこのドラマ話が分かりにくいんだよね で、色色な百舌ネタバレサイトを見てこのドラマを楽しんでいます
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Top 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 閉鎖都市・「ゴミ箱の中の子供達」 第24話 ゴミ箱の中の子供達 第24話 24-1/6 扉が音を立てて閉まり、そのむこうでパタパタと鳴っているスリッパの音が遠ざかって、消えた。一人部屋に残された モニカはあてどもなくクッションを抱きかかえた。 自室の静けさがモニカの耳を打つ。机の上の置時計はデジタル式で、駆動音すら聞こえない。きん、と耳鳴りが耳を刺す 静寂が、モニカは世界が自分を隔離しているように思えた。この時間なら他の姉妹は恐らく熾烈なチャンネル争いに勝利し、 談話室のテレビで人気アイドルが主演するドラマの最新話に現を抜かしているだろう。或いは自室で手芸をするなり、 雑誌を読むなり、思い思いに消灯までの自由時間を満喫しているはずだ。彼女達はモニカが泣きはらした事など思いも よらないだろう。それは兄弟も同様で、兄も、ゲオルグも同じだ。あの自分の大泣きを誰も知らないのだ。そう思った途端 モニカはどうしようもない孤独感を感じ、ただクッションを抱く腕に力を込めた。もしかしたらマリアンは帰ってこないのかも しれない。思えば馬鹿馬鹿しい考えだが、ただ彼女が今現在この場にいないという事実がこの想像に現実味を抱かせた。 あの泣いていたときの抱いた温もりが、あのすがり付いた胸の柔らかさが、今は霧の様に思い出せない。寂しかった。 この誰の息遣いも感じられないこの自室が、ほんの僅かな過去に無二としてすがった姉妹の温もりを忘れた自分が どうしようもないほどに寂しかった。 もはや頼れるものはこれとばかりに、モニカはクッションをきつく抱きしめる。だが、クッションに移った自分の温もりが、 更に孤独感を際立たせた。だからこそ、突然のノックの音が、モニカには天の助けの様に聞こえた。 「俺だけど」 聞きなれたドラギーチの声でノックの主は言った。 24-2/6 モニカが、どうぞ、と促し部屋に入ってきたドラギーチは机と共にベッドの対面に設置してある椅子に腰を下ろした。 立てた方膝を抱え込んだドラギーチはベッドに座り込んだ部屋の主を見るでもなく視線を宙にさ迷わせる。モニカもまた 兄弟の顔を直視する気にはなれずただ正面を見つめる。二人の間に沈黙が下りた。 ドラギーチが椅子の背もたれをぎしぎしと鳴らした。耳をくすぐるその音がモニカから寂しさを忘れさせる。その音は 代わりとばかりに気まずさを意識させた。モニカが流石に居心地の悪さを感じ始めたところで、椅子の軋みが出し抜けに 止まった。 「振られたんだってな」 生まれた静寂を潰す様にドラギーチはポツリと言った。モニカは小さく首を降る。 「ちょっと、違う」 きしと、椅子が音を立てた。幾許かの間を空けてドラギーチが返す。 「あいつに嫌な事でもされたのか」 ドラギーチの言葉にモニカは今日の出来事を思い返す。喫茶店で傷の手当をするとき、ゲオルグはモニカを拒絶した。 これは悲しかった。だがしかし、これはドラギーチの言う嫌な事に含まれるのだろうか。逡巡、そして結論。これはニュアンスが 異なるのではないかとモニカは思った。 「ちょっと、違う」 また、椅子が軋んだ。今度は先ほどよりも長い。しばらく続いた背もたれへの拷問は、ドラギーチの溜め息と共に終わった。 「何があったんだ?」 もうお手上げとばかりに溜め息を吐き出して、ドラギーチはそう呟いた。 ドラギーチの疑問に答えるべくモニカは口を開く。だが、そこでおもわずモニカの口はすくんだ。今日何があったのか。 なぜ自分が涙を流す事になったのか。この問いかけに対するもっとも単純な答えから、ひたすら自分がそこにいた。 思考すらも捻じ曲げて認識の外に隠される答え。この一日でまざまざと見せ付けられたものは、口にするはおろか、 考えることも怖くてならなかった。 でも、と区切って、モニカは考える。でも、これはちゃんと受け止めなきゃいけないんだ。今日の一日を、あたしはちゃんと 見つめ返さなきゃいけないんだ。あたしのためにも。お兄ちゃんのためにも。あたしはお兄ちゃんのことが好きだから。 無愛想でそっけないところもあるけども、あたしのことを守ってくれる、強くて優しいお兄ちゃんのことが大好きだから。 だから―― 「あたしはお兄ちゃんを好きになっちゃいけないんだ、ってだから……」 言葉尻が震えた。悔しさと悲しさでモニカの視界が滲む。それでもモニカは口を続ける。認めたくない現実を見つめる ために。ただ自室で泣き続ける自分から決別するために。 「お兄ちゃんのこと諦める」 ――だから、さようならあたしの初恋。お兄ちゃんにはもっといい人がいるから。 デートではお兄ちゃんを引っ張りまわすしか出来なかったし、傷の事だって深刻に受け止めすぎて一人で勝手に落ち込んでいた。 つまりあたしは空回りしていたんだ。ベッドの上で自分の想いに気づいたあの日からずっとずっと一人で、からからと。あたしは お姉ちゃんみたいに待ち続けることが出来なかった。あたしはお姉ちゃんみたいにお兄ちゃんを理解することも出来なかった。 だからあたしの想いはお兄ちゃんには届かなかった。あたしの想いはお兄ちゃんと噛み合わず、一人で空回りし続けていた。 だから、あたしは諦める。お兄ちゃんを想い続けるのをもう止める。 決意を込めてモニカは搾り出した、それでも自分の言葉を聞くと涙があふれてきた。せめてこぼさぬ様に、モニカは抱きしめていた クッションに顔を埋めた。 24-3/6 部屋に響く小さな、ほんの小さなモニカの嗚咽。それに併せるかのように椅子が軋む音がした。ぎし、ぎし、と二人の間を埋めるように、 軋む音が響く。やがてその音はモニカに届いて、止まった。 「それで、いいと思う」 すすり泣くモニカを慰めるように、ドラギーチ呟いた。 「あいつとじゃ、幸せになれない」 モニカの決断を褒める様にドラギーチは言葉を続ける。だがその言葉がモニカには気にかかった。 「幸せになれないってどういうこと? あたしが妹だから? 同じ孤児院で暮らした兄妹だから?」 クッションから顔を上げたモニカの視線の向こうでドラギーチは顔をしかめる。 「あいつがやってる事とか知ってるだろ」 「あたし達のために頑張ってくれてるじゃない」 食って掛かるようなドラギーチの問いかけにモニカの語勢も強くなる。怒りを帯びたモニカの返答にドラギーチは椅子から立ち上がった。 「そうじゃないだろ。あいつの仕事とか、あいつが何で食べてるかとか、そっちの話だ」 「仕事って警備の派遣社員でしょ。どこに問題があるのよ」 派遣社員として、ある企業の警備や、重役の警護とかをする。就職する兄達はそう口々に語っていた。これは決して嘘ではないはずだ。 モニカの台詞にドラギーチはベッドへと歩むと声を張り上げた。 「お前、本気で言ってるのか?」 ベッドに座り込んでいたモニカの視界に、詰め寄ったドラギーチが影を落とした。蛍光灯の逆光の中で、見下ろすドラギーチの視線が 我慢ならない。素早くベッドから下りて、モニカは少しでも視線を高くする。 「本気よ。そもそもさっきからあいつあいつって、ドラギーチは兄ちゃんの事、何だと思ってるの?」 思い返せばドラギーチの口から兄の文字は見当たらなかった。ドラギーチは始めから一貫して兄のことをあいつと呼んでいた。 その口に出すのも汚らわしいという態度が気に入らない。 モニカが問い返すと、ドラギーチは悪びれる事もなく掃き捨てた。 「犯罪者だろ、あいつは」 返ってきたのは最上級の蔑みの言葉。モニカは思わず手が動いた。部屋に響く乾いた音。振りぬいたモニカの右手に、熱に似た 痛みが広がった。左頬を赤く染めて目を剥くドラギーチにモニカは声を張り上げた。 「知らないくせに。お兄ちゃんがどれだけ苦しんでるか知らないくせに」 もう口は止まらない。モニカは思っていた事をそのまま言葉にして叩きつける。 「出てって。もうドラギーチの顔なんて二度と見たくない」 ドラギーチの兄に対する完全な無理解。自分の想い人をここまで軽蔑する人間は、もはや視界に入るのも、同じ空気を吸うのも モニカには堪らない程嫌だった。 憎しみのこもったモニカの拒絶の言葉に、ドラギーチは怒りで顔を歪ませて、そして踵を返した。部屋の戸を壊さんばかりに大きな 音を立てて開けたドラギーチは、何も言わず廊下に消えた。 24-4/6 ドラギーチと入れ替わるようにマリアンが部屋に入ってきた。ビニール袋を手に提げた彼女は、遠くなるドラギーチの足音を 唖然とした様子で追いながら口を開く。 「今ドラギーチが凄い勢いで出てったけど、あんたたちなんかあったの?」 いつになく間の抜けたマリアンの言葉。その言葉を聞いた途端モニカは自分の中で何かが途切を聞いた。目頭が急速に熱を持ち、 視界があっという間に滲んでいく。モニカが掌で顔を覆うよりも先に、大粒の涙が零れ落ちた。ビニール袋が床に落ちる音が響き、 顔を隠したモニカを女性特有の柔らかさが包んだ。 「ごめん、私がドラギーチをけしかけたから、ごめんモニカ」 肩を震わせるモニカを抱きしめて、マリアンは謝罪する。その言葉を聞きながらモニカは首を降った。悪いのはドラギーチだ。 マリアンは悪くない。しかしその言葉は涙で満たされて、喉から出られない。 悲しかった。ドラギーチの無理解が悲しかった。兄が理解されぬことが悲しかった。自分達が暮らすこの孤児院が何のために 作られたか、この孤児院の運営資金の過半がどこから来ているのか、ドラギーチも知らぬはずはないだろう。兄はこの孤児院を 守るために、闇の世界に身を売ったのだ。孤児院の弟妹達を守るために兄は罪で身を汚し、幾重もの傷を負ってきた。その姿をして 犯罪者だと罵るのが清潔な場で生きた第三者ならまだ許せる。だが、その台詞は罪の恩恵を受けて暮らしている自分達が 言っていい事ではないはずだ。だからこそ、のうのうと犯罪者だと罵ったドラギーチが許せなかった。そして体を傷だらけにしながら、 分かってもらえるべき人に理解されてない兄が可哀想でならなかった。 果てたと思われたモニカの涙は流れ続ける。彼女の慟哭はまだ終わらない。 24-5/6 夜の闇の中をドラギーチは走っていた。街灯の明かりが、商店の電灯が、盛り場のネオンサインが、次々に現れては ドラギーチの脇を駆け抜けていく。すれ違った光をことごとく無視して、ドラギーチはただ前を、ひたすら遠くを目指していた。 走りながらドラギーチは自問する。俺が間違っているのか。モニカは俺が何も知らないと罵った。だがあの男はマフィア以外の 何者だというのか。そもそもマフィアのどこがいいんだ。あいつら皆犯罪者じゃないか。自分の都合で人から金を奪って、物も奪って、 そして命すらも奪っていく屑どもじゃないか。あのゲオルグだって今まで何人もの人間を殺してきた大悪人じゃないか。そんな 人間の何を理解しろと言うのか。俺のどこが間違いだというのか。 そもそもあの孤児院はマフィアが自分達の兵隊を育てるために作ったものだ。だからモニカにしてもマリアンにしてもマフィアの 肩を持つのは当然のことだ。だから孤児院の皆がマフィア側の人間であって、あの孤児院の中ではあれが正しい認識なのだ。 あいつらにとって俺の考えは異端そのもの。だから俺の味方はあそこにはいないのだ。 憤りが爆発して、ドラギーチは思わず叫んだ。夜中であることもかまわずあらん限りの力を込めてドラギーチは喉を振るわせる。 理不尽だった。自分は正しいことをしてるのに、自分だけが正しいこの状況があまりにも理不尽だった。ドラギーチの怒りの咆哮も すぐに後ろに流れて消えた。 もう孤児院には戻りたくなかった。この理不尽な状況から脱出できるどこかに行きたかった。マフィアの息のかかっていないどこかへ。 自分の味方がいるどこかへ。でもそれがどこなのかは分からなかった。少なくとも自分が今いるこの街は違った。この廃民街は マフィアの根城だ。だから、どこもマフィアの息がかかっている。この街を出ても味方がいるとも思えなかった。この都市にいる以上、 どこでも多かれ少なかれマフィアの影響力はありそうだったからだ。都市の外はどうだろうか。戯曲の中でしか登場しない壁の 向こうならば、マフィアの手も届かないのではないか。だが、壁は闇に埋もれて見えず、走っても走っても道は途切れず、 街の明かりはどこまでも続くように思えた。 24-6/6 走って、走って、走り続けて、やがて息が上がった。足の疲労は途中から峠を越えたように楽になったが、肺が持たなかった。 息苦しさに耐え切れずドラギーチは速度を緩める。途端に軽やかに回っていた足が重くなった。足先がもつれて、ドラギーチは 転ぶように崩れ落ちた。 地面に手を付いたドラギーチはしばらくそのまま肩で息をした。顎の先に汗が雫を作り、アスファルトの上に落ちた。膝を付いた 自分の両足は、まるで鉛でも詰められたかのように重く、もう一歩も歩けそうになかった。ここはどこだ。少し息を整えると、 ドラギーチは顔を上げて辺りを見渡した。街灯に照らされた道の両側にはシャッターを下ろした商店が軒を連ねている。 どうやらどこかの商店街らしい。具体的な場所は分からなかったが、1つだけ確信できる事があった。自分はまだ街の中にいる。 結局自分はどこにも行けないのだ。街を出ることは出来ず、壁を越えることは叶わず、自分はこの街にいるしかないのだ。 そう思い至ると、体から力が抜けた。もう状態を支えるのも億劫で、ドラギーチは冷たいアスファルトに額をつけた。 「もし」 もう考えるのも面倒で、ただ荒い息だけをしていると、突然頭上から声が降ってきた。優しげな男の声だった。 「もし、そこの市民、いかがなされましたか」 重い頭を持ち上げると、白いオーバーオールを着た初老の男が心配そうにこちらを覗きこんでいた。 「疲れてるんだ、放っておいてくれ」 もう走ることも、人と話すことも、何もかもが億劫だった。苛立ちをそのままぶつけて、ドラギーチはまたアスファルトに頭を下ろす。 にべのない態度だったが、男の気配は離れなかった。男は戸惑うように間を空けてると、おずおずとドラギーチにたずねてきた。 「市民は帰る所がおありですか」 痛いところを突かれた。自分が育った孤児院に戻る気がない今の自分に帰る場所なんてなかった。この鉛のような体を休める 場所なんてどこにもなかった。 「あってもなくてもあんたには関係ないだろ」 だが、それは自分の問題で男とは関係のないことだ。心配そうに見つめる男をドラギーチは突き放す。だが男は怯みもせずに 言葉を続けた。 「実は私どもはシェルターを運営しております。市民さえよろしければ、ここで一晩羽を休めてはいかがでしょうか」 シェルターの名前は聞いたことがあった。家庭内暴力などを受けた人間の駆け込み寺で、一晩からしばらくの間宿泊できる施設らしい。 まさに渡りに船だった。どのみち自分に行くあてなんてないのだ。ここは受け入れたほうがいいだろう。 「あんたのところ行ってもいいか」 ドラギーチが顔を上げてたずねると、男は嬉しそうに顔をほころばせた。 「かまいませんとも。私どもは市民の幸福のために存在しております。宿のない不幸な市民がおられるのなら、宿を与えるのが勤めと 言うものです」 そこまで言ったところで男は何かに気づいたように言葉を止めると、頭を下げた。 「申し送れました、私はホリア・"ウルトラバイオレット"・シマと申します。CCC、救世コンピュータ教会(Church of Christ Computer)という しがない教団を運営しております」 救世コンピュータ教会というのはいかにも怪しそうな名前だった。だがドラギーチは構わなかった。相手の腹に一物を抱えているのなら、 それこそ気兼ねなくその厚意を利用できるというものだ。それに、それ以上に体が重かった。とにかくどこかで体を休めたかった。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ ページ最上部へ